RailfanGuide:鉄道ファンへ(書籍から抜粋)

資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本」より抜粋

はじめに
「15, 840円」。
2018年8月8日、Airbnb(エアビーアンドビー)から、私の銀行口座にはじめて振り込まれた報酬です。

Airbnbは民泊で有名な会社ですが、この報酬は部屋を貸したものではありません。
私が企画し、ガイドをした、インバウンド(訪日外国人)向けの体験ツアー『JRパスで行く「SL」と「国立公園の水の旅」』の報酬です。
Airbnbの「ガイドマッチングサービス」というシステムを通じて仲介された、初めての体験ツアーには、
中国系の4人が参加しました。
私はTOEIC280点の片言英語で、体験ツアーのガイドをし続けました(相手の方が、少し日本語がわかったので助かりました)。
この報酬「15,840円」が高いのか安いのかわかりませんが、後日、私と同じ鉄道ファン(オタク)の何人かに、こんなことを言われました。
「今まで、趣味でお金を浪費するだけだった鉄道の知識を使って、稼いだことに価値がある」と(私は40年以上の時間と、1,000万円以上をこの趣味に費やしてきました)。

2018年1月4日、通訳案内士法が改正されたことで、誰でも資格の有無に関わらず、インバウンドに有償でガイドができるようになりました。
近年、インバウンドの興味が「モノ」消費から、体験などの「コト」消費に変化している流れを受け、大手企業が続々と、日本人ガイドとインバウンドを結びつけるサービス、すなわち前述の「ガイドマッチングサービス」を始めています。
例えば日本のAirbnb には、「お茶」「着物」「習字」「料理」「写真」「武道」「居酒屋ツアー」「オタクツアー」「穴場ツアー」等など従来の観光とは異なるユニークな体験ツアーが並んでいます。
このようなサービスを提供している会社は、日本だけでも大小合わせると数十社はあると思われます。
世界では、200億円を超える資金調達する会社も現れ、M&A合戦も繰り広げられています。

民泊に加えて、2016 年から始まったAirbnbの「体験ツアー」は、2017 年に全世界60都市で5,000を提供しており、最も予約の多いガイドは、なんと年間20万ドル(約2134万円)以上の収益をあげているのだとか!
日本にも、Airbnbで数百人のインバウンドからほぼ満点の5つ星をもらいつづけている素晴らしいガイドがたくさんいます。
私自身は、2018年の初夏から半年で、ガイドマッチングサービス5社の審査を受け、体験ツアーを掲載し実施していますが、お迎えしたインバウンドの人数は、実質数十人といったところです。また、そもそも評価をつけてもらえないこともあります。
企画自体には自信があるのですが、英語力が弱いため、インバウンドとの相性によっては、とても厳しい評価を受けることもあります。そのような未熟なガイドがなぜ、この本を書くのか?それは、拡大途上の体験ガイドおよびガイドマッチングサービスにおいては、具体的で体系立った情報がまだ非常に少なく、私の経験や、取得した知識をお伝えすることで、生きた情報として皆さんのお役に立てるのではないかと考えたからです。

私はながらくIT業界におり、IT関連書籍の執筆なども行なってきました。2014年、旅行好きが高じて「国内旅行業務取扱管理者」「旅程管理主任者」などを取得し「H.I.S.インバウンドツアー」の添乗員も経験しています。この本では、旅行業の資格や知識、実践でわかったガイドマッチングサービスのすべてを、IT業界での経験もふまえつつ、紹介していきたいと思っています。

なお、文中の英文は正しい表現ではない可能性があります。私がGoogle 翻訳を使い、実践で使ったものですが、雰囲気をお伝えするため、そのまま表記しています。
ビッグイベントが続く日本の観光業界で、日本の文化や習慣をインバウンドに紹介しながらコミュニケーションしたい方や、私にとっての鉄道のように、自分の経験と知識を活かして報酬を得たい方の水先案内になればとてもうれしいです。


体験ツアーガイドの休憩室 ❷
ドライブインや土産物店、高速道路のサービスエリアやパーキングエ
リアなどには、観光バスの運転手、バスガイド、添乗員専用の休憩室
があります。ここは一休みの休憩トークコーナーです。

● 鉄道ファン(オタク)の経験と知識で、
日本のおもてなしに貢献したい!
ここで、鉄道ファンとしての私の話をさせてください。
(極めて個人的で、限定的な話になるので、興味の無い方は読み飛ば
して次の章に進んでいただいても全く問題ありません)
私が約40年以上の歳月とともに、鉄道に浪費?した金額を計算し
てみたところ、なんと概算1,300万円くらいになる事がわかりまし
た。
最も浪費したのが創業した2006年から2017年ごろまでの11
年間で、この頃はどこでも乗っていればいいとなかば依存症的に、
休みのたび温泉や神社巡り新幹線などを使って浪費していました。
そんななか、2018年11月に帽子男(@Yasu583k)という方のツ
イッターのつぶやきが目に入りました。
「最近、自分の鉄道ファンとしての居場所がない気が………
・模型 → ポポンデッタとかで試走すると壊されそう
・撮り鉄 → モラル守らない人が多くなってきて大変
・乗り鉄 → 騒ぐ輩と思われる
・鉄道ファン → 変な輩やと思われる

趣味に生きづらい世の中になったなぁ」
鉄道ファン(オタク)の共感を得たこのつぶやきは、多数のいいね
やリツイートを得ており、私も切ない気持ちになりました。
大多数の鉄道ファンは、ルールを守りひっそりとその趣味に時間と
お金を使っているのに、一部のマナーの悪い鉄道ファンのために、鉄
道を趣味とする人の肩身がどんどん狭くなっています。
話は変わり、インバウンド向けの鉄道パスの代表に「ジャパンレー
ルパス」というものがあります。
これは新幹線(「のぞみ」「みずほ」除く)も含めてJR線が全線乗り
放題で、使い方の一例をあげると、東京から広島の厳島に行ったと思
えば、翌日は反対側の青森に行ったりと、時間や観光地の選択にかな
りの無駄があるようです。
鉄道を愛する者としては、新幹線や特急だけでなく、ローカル線や
「乗って楽しい鈍行列車」で日本の四季をゆっくり見てもらいたいと
思います。
そして、鉄道ファンだからこそ、列車を利用した他にはない「穴場
ツアー」などを作れるのではと思ったのです。
2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック、
2021年のWorld Masters Games、2025年日本万国博覧会(大阪)
…と、日本全国にインバウンドを迎える機会が目白押しです。
今こそ、少し肩身が狭かった鉄道ファン(オタク)の経験と知識を
活用して、日本のおもてなしに貢献する絶好のチャンスです。
この本が、そんな人たちの背中を押すきっかけになれば、とても嬉
しく思います。

平成31年(2019年)1月
学びing株式会社 代表取締役
RailfanGuide代表 斉藤 常治

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